rendezvousについて

今回NEORT Vesselに出させて頂いている作品「rendezvous」について書きます。

そのためには私が持つShaderへの思い、NEORTに対する思いを経由する必要があるので、順にかいていきます。

Shaderへの思い 私の活動

私はShaderが大好きです。
プリミティブであるがための柔軟性があるからです。

ここでいう柔軟性とは何かというと、その中であればカメラも視錐台もすべてそうあるように定義して使っているというだけで、実体はベクトルと計算であります。
レイマーチングで定義される三次元というのも、私たちがそうあるように調整しているだけなので、全く新しいものを定義することや、定義されていないものを絵にすることもできます。
先程発表された新しいノイズアルゴリズムも、40年前の論文にあるアルゴリズムも等しく扱うことが出来ます。

だから私はShaderは最高の砂場だと思っています。
お酒を飲みながら砂場遊びするのも好きですが、色んな人の作品を見るのも、自分にない視点や技術を知れるので好きです。

より多くの人にこの楽しさを伝えられたなら、さらに多種多様な作品を見られると考えた私は、あらゆる手段で楽しさを伝えようとしてきました。

Shaderでモデリングを行うというテーマで登壇した時の資料
docs.google.com
イベントページ
大xR Tech Nagoya #8|IT勉強会ならTECH PLAY[テックプレイ]

お絵描きというテーマでShaderに興味を持ってもらおうとかけた募集


Discordサーバーとして今も存在しています

IAMASで簡単なワークショップを行った際に使用した雛型

Shader単体で伝えようとしてもなかなかうまく行かないと思っていたころに、私はTouchdesignerを触り始めます。
GLSL TOPというShaderをかける場所をTouchdesignerの中で見つけます。
私はパラメータとして音やセンサーの値を渡して、過去に作ったShaderを動かしていました。
そこで、Shaderが持っている、コードをほとんど変えることなく環境をまたいで同じ絵を使える性質を利用できると思いました。

Processingをはじめとしたクリエイティブコーディングの各コミュニティ全体を包む大きなコミュニティとしてShaderのコミュニティが出来たら、環境を越えられるShaderの強みをを活かせて盛り上がりそうです。
そこで共通言語としてShaderが登場したら、Shaderがもっと親しまれるものになると今は考えています。

NEORTとの関係

NEORTはデジタルアートという枠の元、色んな環境で生みだされた作品を投稿できます。
様々な手法で制作された作品が一堂に会すことで、環境毎のプラットフォームでは得られなかった刺激を私は受けてきました。

クリエイティブコーディング等の各環境ごとのコミュニティ全体を包む大きなコミュニティとしてのNEORTは、私が持つ「大好きなShaderの楽しさを多くの人に知ってほしい」という目標に近づくうえで重要なものだと考えています。

作品

私がNEORT Vesselに出させていただいた作品の名前はrendezvousといいます。

お話を頂いたときに、色んな手法で表現する人達が一堂に会し、手法の垣根を越えて交流する様子が浮かびました。
境界を越えて混ざり合うことをイメージして、集結する 人が集まる場所という意味でこの名前にしました。

作品の一番の特徴である曖昧な境界を持つ流れは、始めに抱いたイメージを直接表しています。
レイマーチングで用いられるオブジェクトとレイが接触したかの判定を大きめに取ることでこれを実現しています。
このやり方が用いられているものをあまり見たことがないのですが、私はこの手法を使ったことで表れる曖昧な輪郭がとても好きで度々使っています。

線が溶けながら集まったような流れと、溶けている物体の流れの大きく二種類のシーンが存在します。
これは溶け合う様子を遠くで見ているもの、近くで見ているものの2つとして作りました。
混ざる中でも個が失われることがないようにと考え、はっきりした色が強めに出るようにしました。


今後更に大きなコミュニティとなっても、多種多様な人が語り合い混ざりながらも個を失わず、刺激し合える環境になっていくことを願っています。

ぜひご覧ください✌
vessel.neort.io